我路

猿女の我路のレビュー・感想・評価

猿女(1964年製作の映画)
3.6
2024年 2月 4日 シネラ

妙に明るく弾む音楽で幕開けするが、内容は虐待に次ぐ虐待。

顔を見られて泣く女に向かって、そんな顔見せられたこっちの方が泣きたいとか。

見せ物小屋から怪しげな研究者、やっと修道院に戻って助かったと思ったら、いきなり結婚して衆目に晒されて歌わされる。

イタリア公開版は、赤ん坊は死産でマリアも死んでしまう。ベッドに横たわるマリアのフレームがだんだん小さくなって、画面は部分から黒一色となってFINE

ディレクターカットは、ベッドのシーンから、博物館に移り母体と赤ん坊(ここで男の子と分かる)の遺体を取り戻すと、次は老人が口上を述べてる。なんと2人の死体を見せ物としている。そのかたわらにはサファリルックのアント〜ニオがッ。そこからカメラはグングンと引いて行き、ナポリ(多分)の街並みの全景となってFINE

フランス公開版は、長い長い。ホテルのベランダのとこまで戻って、写真パネルと頬の毛が抜けるとこ(最初の段階で何か意味がありそうと思わされた)から、産院で看護師に案内され、なんと赤ん坊はつるつるで保育器に入れられて元気。マリアも顔ツルツルになって元気。見せ物ができなくなり、脱毛処理したと医者に難癖つけるが、医師から港湾労働の仕事を紹介される。そしてその仕事やってる。昼休みになるとマリアと男の子がやってきて、お弁当食べる。マリアのお腹はまた大きくなってる。そこからカメラが引いて、港の全景となってFIN

イタリア公開版はマリアが、ディレクターカット版はアントニオが、フランス公開版は2人が主人公ってことかな。

しかしなんでマリアがアント〜ニオに惹かれるのか分からん。はなっから2万リラ出させられ、猿マネさせられ(猿マネはあまりいやがっていなさそう)、フランスのレビュー(ホントかよ、場末のストリップにしか見えない)ではバタフライだけつけてオッパイもケツも丸出しになって。

イタ版って、エレファントマンみたいに死がラストシーンとなってる。アントニオが死に際してウソつくとこはちょっとグッとくる。

ディレカットは怖い、エグい、ひどいけど、徹底してる。

仏版は悲惨なマリアに幸せが訪れるので、安堵はするんだけどなぁ。

なんで似ている作品に梁山伯と祝英台があるのかよう分からん。
我路

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