MASH

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのMASHのレビュー・感想・評価

3.0
面白い!!とは思うが、正直大ヒットとならない理由は分かる気がする。エピソード8の斬新さと釣り合わせるために、わざと定番を狙っているのは分かるが、この映画の持つポテンシャルはこんなものではないと思う。

まずは良いところ。それは俳優陣だ。ハン・ソロ役のオールデン・エアエンライクは、ややチャーミングな部分が強過ぎた感じもあるが、全体的にはすごく好きになれるキャラになっていたし、まだすれてない若かりし頃のハンという感じは出ていた。そして、ランド役のドナルド・クローヴァー。彼は完璧だ。本当にランドを見ているようだった。ハンとは違う意味で計算高く頭が切れて、でも根っからの悪いやつでもない。そんなランドを彼はチャーミングに演じてくれている。また、ドロイドのL3は今までとはまた違うタイプのドロイドで、ドロイドのキャラが「マスターに従順なロボット」というのから広がっているのを感じ嬉しかった。

しかし、気になる点も結構ある。まず一つ言えるのが、とにかく画面が暗い。細かいと思うかもしれないが、本当にずーっと薄暗いのだ。どんなに明るい場所でも靄がかかったような映像になっていたり、逆光になっていたりと、せっかくの俳優の表情が見にくくなっている。「帝国軍に支配されていた暗黒の時代」というのを表現したいのは分かるが、ずっとこれだと途中の銃撃戦で目が痛くなる。「ローグ・ワン」も同じような問題を抱えていたが、ラストのクライマックスでは一気に明るくなり、映画的な盛り上がりを作っていた。しかし、この映画は見せ場でも同じような暗さなのだ。映画における色合いや明るさの調整の大切さが悪い意味で分かってしまう。

そして一番の問題はこの映画にかける情熱の少なさだ。決してロン・ハワードだけが悪いわけではないとは思うが、なによりスター・ウォーズへの情熱が感じられないのだ。『最後のジェダイ』は突っ込みどころも多々あったが、今までにないスター・ウォーズを作ろうとする情熱は強く感じられたし、だからこそ個人的にすごくいい映画だと思ったのだ。それに対してこの映画はそういう強い思いが感じられない。「売れればいいか」という上層部の思惑が透けて見えるようだ。

悪い部分が目立つレビューになってしまったが、決してつまらないわけではない。これはこれでありだと思う。でもあの"ハン・ソロ"を主人公にするなら、もっとアウトローな作品でも良かったのではないだろうか。

2回目 3.5点
(2021年1月23日 Disney+)

1回目 3.5点
(2018年6月29日 TOHOシネマズなんば)
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