あぁ、人間って年老いていくんだなぁ…としみじみ感じた。
親友の日記を昔の恋人の母親が持っていて、遺品として自分に残しているという。それを昔の恋人が差し押さえている…
どういうこと?
ややこしい展開で始まるこの映画、
次第に明かされていく主人公の過去、
謎めいていて引き込まれていく。
当時の出来事を元妻に語りながら若かりしき頃の氣持ちを再体験していくトニー。
彼と元妻、娘、郵便配達人との関係性は、トニーの‘’今‘’を観ている者にわかりやすく伝えていた。
一番グッときたのは、郵便配達人へ接する時のトニーの態度の変化。「今日はいい天氣ですね」とフレンドリーに話かけてくるドライバーに対して、用事さえ済ませればいいという事務的な対応だったのに「コーヒーでも飲んでいかないか?」とすすめるまでに人間味溢れる人に変わったところ。
得るものもなく、失うものもなく、傷つかずに生きようとする、それを自己防衛という。
物語の最初だったか、最後に語られたこの言葉は、心に残ったなあ。