Marrison

リバースダイアリーのMarrisonのレビュー・感想・評価

リバースダイアリー(2017年製作の映画)
3.5
「演技が硬い」のと、「硬さを演じる」のは、同じじゃない。主演二人がそこらへんをうまくやれてたのかどうか、評価しづらい。

別離シーンの前ピンから始まって、トーマス・シュナイトの撮影はセンスフル。まるでジャック・タチの『プレイタイム』を彷彿させる白&アルミグレー主体だったりする上質風景の中に、美男&“謎行動の女子”が出ずっぱりするんだが、、、、その小川ゲンさんと新井郁さんの喋りとかがとにかく硬くて、用意された台詞の多くもやや浅くて、私には違和感。──────まるで“マシュマロと思って口にしたらグミだった“感じ。
やりがちなイロイロを映像美と小川さんのハイな鼻梁だけで不問に付せたのは、最初の10分程度。そのうちに商業臭(ジャニの若手を単に性格よさげに「え、カノ? いませんいません」風に撮るPVのような)まで漂いだした。

が、妹のサスペンスドラマとなってから、ようやく面白味が出てきた。期待してた方面とはそれは違うんだけども。
姉よりも妹は、演じる小野まりえさんの力量もあってか少しは鮮やかな存在者である上に、一重瞼のコンビニ店員役・赤染萌さんのわかりやすさも奏効。不本意ながら私は、正体見せた彼のTシャツ(ここは見どころ!)なんかに単純にドキドキしちゃえたのだった。
そういうエグりに慣れてきて、さらなるヒネりもみて、やっと全体像を楽しく受け取れるようになると、(ストーキングも共謀共同正犯もこしらえ方が強引でしょとか、荒唐無稽な航空機事故よりも長距離バス事故なんかにとどめた方が、、みたいな当然のツッコミもまあ呑み込んで、、、)終盤には、ナカナカいいもの見せてもらった感が素直に高まってた。
うん、面白かったよ! 恋愛劇としての着地もいい。日記モチーフに元々無理がないし、人に薦めることのできるレベル。

それはまるで────────硬いグミをしばらくクチャクチャ我慢噛みしてたら中から大きな種が出てきて、「あら? 種の方が美味しいじゃん」なんだが、そもそもマシュマロにこそ満たされたかったんだという不納得があるから、種なんかをしゃぶらされてても吐き出したくて、しかしながらその種の中から(ますます予想外の!)ガスがシュポシュプ噴き出してきて、おやおや、お口の中に何ともいえぬ豊かな香りが広がってるわ???!みたいな、、、、、。

あらためて考える。再登場後にわりかし安定してた最重要な小川さん&新井さんの、中盤までの演技はやっぱりよくわからない。ひょっとして「うまく本当の自分を生きれてなかったボクとワタシ」を冒頭からきっちり表現してたということなんだろうか?

最後頃に投入された網島恵里香さん、私たちをさらに突然(?)摑み直してくれるお花だった。平吹正名さん堅実。みんなよく頑張りました。