アズマロルヴァケル

私を忘れないでのアズマロルヴァケルのレビュー・感想・評価

私を忘れないで(2014年製作の映画)
3.6
カリコレ2016上映作品。

10年間記憶喪失になり、社会復帰した弁護士の男が昔の恋人と再会し、再び恋をするのだが、次第に知ってはいけない秘密を知るようになるという話。

思ったよりもシリアスで、最初は純粋なラブストーリーかと思いきや謎が分かるにつれて驚きの連続が続き、挙げ句には厳しい現実を突きつけられてしまうラスト20分にはとても重く悲しいや切ないというよりもどうしようもない結末でした。

例えば、墓場に行ってその場で寝転がったり、いきなりヒロインが大学の学籍番号や出身地といった個人情報を主人公に覚え込ませようとしたり車に乗っている子供の声に反応して車を運転している主人公がそのまま事故を起こしそうになったりと簡単に伏線を作って回収しているのが好感が持てました。

ただ、悪いところと言ったら多分だけど主人公が担当する失踪事件の失踪人である旦那さんの不倫相手とその失踪事件の裁判で争った検事の秘書の衣服が似てたからややこしい印象を受けました。それ以外はまあ気に入らなく、
弁護士の仕事のときに昔のころに戻ってほしいと弁護士仲間や依頼人に言われてるのですが、そんなに記憶喪失前の主人公は裏表が激しいわけではなかったので、まあまあといった感じでした。

ラストシーンはちょっと「ロスト・エモーション」のように絶望の中に小さな希望を見いだしたようなハッピーエンドだったのですが、大切な人が死んでいたとしても記憶を取り戻すか、真相を知らずに記憶喪失のままにしておくか、どっちにしてもやりきれない気分になってひしひしと考えさせられる。胸が痛くなる映画でした。

特にヒロインのヒョジョンさんは主人公の空白の10年間でどんなに献身的になったかと思うと、心が辛い。