コマミー

ドッグ・イート・ドッグのコマミーのレビュー・感想・評価

ドッグ・イート・ドッグ(2016年製作の映画)
3.1
【堕落】

※「魂のゆくえ」の予習としては、どうかは分かりませんが、監督の前作を鑑賞してみました。↓

「救命士」「ラスト・リベンジ」と、[ポール・シュレイダー]と組んできたニコラス・ケイジ。
そんな二人が、[犯罪者]としての立場の[人の醜さ]を描いたのが本作である。シュレイダー監督の作品に対して、皆辛口になってきた中での、"シュレイダーらしい"作品が戻ってきたのが、本作なのであろう。

本作で見所と言えば、シュレイダー作品常連のウィレム・デフォーの[堕落っぷり]であろう。[ヤクに溺れ×ギャンブル好きで×殺しも平気でやる。]まさに完璧なまでの堕落さで、本作の[狂気じみた設定]を際立たせた。
喰うか喰われるかの瀬戸際の男たちを、二人はこれ以上にないほどに狂った演技をしてくれた作品だと思った。シュレイダーの作品を[肌で感じてきた]二人だからこそ、演じきる事が出来たのだと思う。

ここ最近、パッとしない作品が続いていたシュレイダー監督にとっては、本作で少しだけだが、自分のライフラインを取り戻す事が出来た作品だった。最新作、「魂のゆくえ」では賞も受賞するほど、集大成としては素晴らしい作品らしいが、果たしてどんな世界を見せてくれるのか…。


まだ見ぬ世界と、イーサン・ホークがどのように[堕落]するのかを想像しながら、観に行きたいなと思います……。
コマミー

コマミー