噛む力がまるでない

ビキニ・カー・ウォッシュの噛む力がまるでないのレビュー・感想・評価

ビキニ・カー・ウォッシュ(2015年製作の映画)
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 2015年製作のコメディである。

 映画全体の9割がビキニの水着を着た女の子で埋められた非常に軽薄な作品で、ノリといい、編集のダサさといい、80年代の映画を意識してると思われる。
 一応、今の価値観を入れて批評的に捉えている部分はあって、ブリタリー(アシュリー・パーク)がジャック(ジャック・カリソン)のビジネスにはじめは感心していなかったりとか、性的搾取を女性だけにしないとか(まあそんな単純な問題ではないのだが)、それなりにバランスを取ろうとしている配慮は見られる。サクセスストーリーとしては貧弱だし、テンポはノロノロしてるし、概ね退屈な映画ではある。ただ、セックスワーカーへの応援歌のつもりで作っているのかと思うくらい作品の抜けがよく、働いてる女の子たちも自分の人生をエンジョイするため明るく前向きに働いている。

 見終わったあとは清々しいほど何も残らないが、少ない予算の中で美女と高級車をちゃんと揃えて見せたいものを見せきっているので、それだけでもなかなかたいしたものだと思う。