実際に、パリ・オペラ座でオーレリ・デュポンの踊りを何本か拝見して、すごく久々にその姿を見たのが映画館で引退公演、というのは少し感慨深いです。
個人的にはなぜかバンジャマン・ペッシュは何の演目を見に行っても出ていた記憶が強くて、「また貴方ですか!?」ってオーレリと関係ないところも楽しめました(笑)
舞台で見てる時から、オーレリの少女役には違和感があったので、単純に1幕目はその踊りの素晴らしさに魅了されてました。大写しを見ると余計に筋肉質な印象の体ですが、体の隅々まで表現する職人的なダンサーだったんだな、と思いました。それが素晴らしく美しい。
マノンのファム・ファタル要素が発揮されるのはマノンが初恋時期を過ぎて女になってから…そこから本当のオーレリの真骨頂を見た気がします。
この人は本当に「女」を踊った時の凄みがあったんだな、としみじみ思わされました。
途中、本人のインタビューも入ったりして、舞台鑑賞だけでは味わえないおまけがあるのも嬉しいところ。
ちょっと贅沢な映画館訪問となるけど、なかなか見られない映像なので、音の良い席で大きな画面で見られることをお勧めします。