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スウィートホームのhideharuのレビュー・感想・評価

スウィートホーム(1989年製作の映画)
3.2
2018.10.16 海賊版DVDで鑑賞。
劇場公開時には映画館に最低3度は通った覚えがあります。

伊丹十三が黒沢清にギャラ未払いか何かで揉めたためにレンタルビデオにはなったもののそれ以後はソフト化されず半ば封印作品になっている状態。
なので自分も海外から海賊版を入手しての久々の鑑賞となった。

ホラーブームに乗り伊丹十三が製作総指揮として本格的なホラーを作るという事でかなり話題にはなりましたし、テレビでは特番でメイキングなんかも放送されたと思います。それなりに予算も大きくアメリカから特殊メイクの大御所ディックスミスを招いたりして、これも話題になりましたね。バブルだったんだな〜。
しかし伊丹十三は自分で監督せずに黒沢清なんかに監督させて結果的に予算をかけた割にはヒットせず。自分が映画館にあまり混まない時間帯に行ったけどそれ以上に客の入りは悪かった。

今回、改めて見直してみると確かにストーリーはオーソドックスな幽霊屋敷もの、しかし黒沢清の脚本はハッキリ言って出来が悪い。
あとオバさんが主役なのも良くなかったかも。伊丹十三映画=宮本信子主演ってのは分かるけど今回は脇に回って欲しかった。
かと言って演技に関してはど素人のNokkoは魅力的ではないし。

血は控え目ながらもホラー描写を楽しむならば日本映画にしては良く出来ている。わざわざディックスミスを招いた価値はあった訳だ。ただ日本人の顔の構造を分かっていないのか伊丹十三演じるガソリンスタンドの親父が西部劇の脇役のような特殊メイクだった。
クライマックスの怨霊の造型もとても良い。

そしてとにかく懐かしかった。
海賊版は画像も良くないので今ならばブルーレイで見てみたい。
黒沢清の一言で何とかなる話ではないだろうがそろそろ封印をといて欲しい。
見たいと思っている人は結構いるはず。
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