スカポンタンバイク

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアのスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

4.3
2024年の初映画。
面白かったですねぇ。

流石、ヨルゴス・ランティモスと言わんばかりの上から見下ろしアングル、下から見上げアングルのカメラワークが終始映画全編を不安定にさせるために効果的に働いていた。
また、会話も終始不穏でぶっきらぼう。特に、みんな思うであろうバリー・コーガンの異様な存在感。物語上からすると、天使か悪魔の類いだろうか。画面内での正体不詳感がここまで出る俳優って、いないんじゃないだろうか。イニシェリン島も良かった。ソルトバーンも楽しみ。
そして、ラストの最高に不快なルーレット。撮影の仕方も相待って、物凄く間抜けに見えるようになっていて、物凄く悲惨な状況なのに笑えるようにしている。アリ・アスターといい、マーティン・マクドナーといい、近年の悲惨なブラックコメディは、大変私の好みで「良いなぁ」となってしまう。病気ですね。
絶対に新年一発目に観るような映画ではないが、面白いのでオススメです。