七月

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディアの七月のレビュー・感想・評価

3.7
『哀れなるものたち』が公開されるので監督の作品を復習。
事実かどうか確かめようもない”預言”によって崩壊していく話。

前に観た時も思ったけど、一見いい父親っぽいけど、言動の端々にバリバリ家父長主義が滲み出てる主人公が非常に気持ち悪い。バリー・キオーガンが演じる役よりもずっとタチが悪くて本当に嫌。
古代ギリシャの(というか世界のいろいろな地域で、一部では今でも)社会では女の子供は人間ではなく家長である父親の「財産」だったので、娘を生贄に捧げよみたいな占い(預言)が簡単に出てくるのだと思うのだけど、そういう古典との構造的な繋がりを言及されている作品の結末が「父親の後を継ぐ男児の命を父親自身が奪って終わる」なところは、息子はかわいそうだけれど正直カタルシスを感じてしまうのよね、性格が悪いので。
七月

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