息子へのビデオレターを軸とした、アメフトの元スタープレイヤーでありALSを患うグリーソンのドキュメント。
苦しむ姿を多くの人に見せるのは本人も家族も、簡単に割り切れるものでは無かっただろうし…支援団体を主催している事も含めて考えて…良くも悪くも、思うことはたくさんあった。
これも映画の、ひとつの在り方なのかな。
煮え切らない事を書き連ねてるけど、否定したい訳じゃなく…重みのある現実と向き合う人たちの姿は、真正面から胸を打ちます。
弱さを否定しない奥さんがとても人間力のある方で感激しました。ユーモアを失っていないって言葉が…すごいなぁって。
闘病というのは、本人だけじゃなく多くの人に支えられなければ不可能なこと。
ここでケン・ローチを出すのはお門違いかもしれないけど…社会的な問題は山積してるなと感じました。そういった保障に対して、健康な私は無関心である事が多くて、恥ずかしくなってしまう。
『光』で取り上げられた音声ガイドも同じ。できない事を補う…そういう支援があれば社会に参加できるようになるって事を真面目に考えなきゃいけない。
携帯電話と同じぐらい当たり前に、支援や設備の充実が浸透していかなきゃいけない。
それに加えて、私達の理解と協力だって必要。だから今作が作られたって事だしね。
きっと『当たり前』が足りてない…
もっと学校教育とかに組み込むべきなんじゃないかな…偏差値云々の薄っぺらい学力より、教えてもらいたいものはたくさんある。はじまりへの旅みたいに(笑)
社会もそれを知ってて、見過ごしたままでいる…大きなものを動かす為に必要なのかもしれないけれど、それじゃ立ち行かなくなってくんじゃないかな。
それを多くの人に訴えかけるって意味でも、意義ある作品だと思います。
スコアは必要ないと思う。
偉いね、凄いねってだけで…苦しみは晒け出せるもんじゃない。欲しいのは賛辞じゃないはず。これがいつか不治の病を治す足掛かりになればいい…そういう願いも込められた作品。