広島カップ

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶の広島カップのレビュー・感想・評価

3.8
1930年代、日本軍が満州国を作って大陸で好き勝手をやっていた時代。軍から世界最高のコース料理のレシピ作りを依頼された山形直太朗(西島秀俊)という男。彼は"麒麟の舌"を持つといわれ一度食べた料理の味は忘れないという料理の達人。
満州国に天皇陛下を迎えるにあたり晩餐の席で供するというコース料理、大日本帝国食菜全席112品目。
山形が4年の歳月をかけて作り上げたこのコースのレシピ本が戦後紛失しており、日本の若い料理人佐々木充(二宮和也)が中国料理界の重鎮(笈田ヨシ)にそのレシピの捜索を依頼されるという物語。
そのレシピに隠された歴史がミステリー調で展開されていく。なかなかに引き込まれるストーリーで田中経一の原作の力が大きいと思う。
でも常々思うのですが腕利き料理人は何故か頑固で求道的な芸術家タイプに描かれてしまうのでしょうか?本作もその辺りが不満でした。

112品目もの手の込んだ料理が次々に出て来ますが、私には凝り過ぎの印象があり、味が想像出来ず美味しそうに見えないのが難点でした。

また、配役にも少し注文をつけたくなります。
二宮が出て来ると「煮るなり焼くなり二宮和也」のアルトバイエルンが、いつもニコニコしている宮崎あおいが何か食べているシーンはシーチキン食堂の味噌汁がついつい連想されてしまって困りました。
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