ずん

サバイバルファミリーのずんのレビュー・感想・評価

サバイバルファミリー(2017年製作の映画)
4.7
家族の関係性の描き方が面白いなと思った作品と言えばこちらも。

この作品大好きです。僭越ながら登場人物のキャラクター性が自分の家族にどこか似ていて、自分の家族を客観的に観ているような気がして無意識に自分自身を作中の妹ちゃんに重ねてしまったりと没入感の凄い作品でした。

登場する家族は、頑固で不器用だけどどこか憎めない父親と天然で心優しく穏やかな母親、物静かだけれどいざという時頼りになる兄、そしてスマホ命の現代っ子代表のような口だけは達者な妹の都内在住の4人家族。

ある日突然電気もガスも水道も止まり、全てのライフラインが断たれた世界で東京から鹿児島を目指して家族のサバイバル生活が始まる。

特に深津絵里演じるお母さんが自分の母親にそっくりで観た後すかさず母に勧めちゃいました。

いつもラブラブな両親に明るくて幸せな子供達が出てくるどんなハッピーヒューマンドラマよりもこれほどリアリティを感じる作品はないかも。

日々の生活に追われ、家族の会話も少なくバラバラだった家族がサバイバル生活を通して徐々に一致団結していく姿がコミカルだけれどとてもハートフルに描かれていて笑いあり涙あり。

便利な生活と引き換えに、失っていた家族の絆を取り戻していく過程がなんとも心温まる素敵な作品でした。

ある日突然ライフラインが断たれる事はもはや絵空事でもなんでもなくて、各地の天災によって不自由な生活を強いられた方達はたくさんいる。近年、東京直下型地震も懸念されているし、遅かれ早かれ自分の身にもいずれは降りかかるだろう。他人事にせず、窮地の事態が起こった時どう行動すればいいのか、一度家族で話し合い対策しなければなと色々考えさせられた。

この作品では電気・ガス・水道のライフラインだけでなくスマホを始め電子基板を使った電子機器全般がダメになってたけれど、強ちあり得る話だったり。

例えばどこかの国との関係が悪化して電磁パルス攻撃でも受けたらまったく同じ事が起こり得るだろう。そういった不測の事態に対して本国はどんな対策をしてるのかも気になる今日この頃です。
ずん

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