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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のericaのレビュー・感想・評価

4.3
"難聴はハンデではなく、治すものではない"

ある日突然、聴力が著しく低下してしまったメタルバンドのドラマーの苦悩。

とにかくすごいのが「音」の表現。
メタル音楽のヘビーな轟音から始まり、そこから主人公ルーベンの耳をまるで"共有"しているかのような、彼が聴いている世界をそのまま体験しているような感覚。
つい耳抜きをしたくなるような、"こもった音"から"全くの無音"まで表現が自在。
特に中盤、ルーベンがこめかみ辺りに埋め込んだインプラントを通して聴く"ノイズ混じりの音"の表現がすごかった。
実際もこういう感じなのかな、、

やっとの思いで取り戻したかと思えた"聴力"。
パーティーでルーの歌声を聴いてるときのルーベンの表情が切なくて、心が締め付けられた。。

ラストのルーベンが取った行為。

"静寂こそ、心の平穏を得られる場所。
その場所は決して君を見捨てない。"

ろう者コミュニティのジョーのこの言葉を思い出したのだろうか。
その後を敢えて見せず、観客の想像に委ねるラストがとても良かった。

難聴を扱った作品を観たのは『エール!』以来だったけど、やっぱり無音になるシーンにはグッとくる。。どちらも美しいシーン。

本作のアカデミー音響賞の受賞は間違いないと思う…!
そして主演のリズ・アーメッドの演技も素晴らしく、主演男優賞(個人的にはチャドウィック推し)のレースもわからなくなってきた。

ーーー以下余談ーーー

これでアカデミー主要部門のノミネート作品(観れる手段があるもの)は制覇したはず。
(今日でいくつか駆け込んだ笑)
あまりにもレビューサボりすぎててやばいけど笑、個人的にオスカーは『ノマドランド』推しです。
(素晴らしすぎて劇場に2回観に行った。のにレビュー書いてない笑)

あぁついに明日か。楽しみ。。。
今年はアカデミー休暇取れなかったので、明日だけはテレビ横目に仕事します許して…🤫
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