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あゝ、荒野 前篇のliamのレビュー・感想・評価

あゝ、荒野 前篇(2017年製作の映画)
3.6

テレビプロデューサーの岸善幸監督作品。原作は寺山修司の小説。「銀魂」の菅田将暉、「中学生円山」のヤン・イクチュン、「バースデーカード」のユースケ・サンタマリア、「ユリゴコロ」の木村多江などが出演。

2021年。少年院に入っていたことのある沢村新次(菅田将暉)は、昔の仲間でボクサーの山本裕二(山田裕貴)を恨んでいた。一方、吃音(きつおん)と赤面症に悩む二木建二(ヤン・イクチュン)は、あるとき新次と共に片目こと堀口(ユースケ・サンタマリア)からボクシングジムに誘われる。彼らは、それぞれの思いを胸にトレーニングに励む。

少年院から出たばかりの沢村と吃音に悩む二木の物語を中心に描いた青春映画。

オリンピック後の少し荒廃した東京が舞台で、2人だけではなく悩みの中で生き続ける様々な人物が登場する。

そして必死に生きる2人と対照的に死ぬ事に重きを置いた自殺サークルのストーリー。最初はこれはいるのかなと思ったけど、生と死を意識させることが狙いだったら必要なのかな。
でも気持ち悪さは拭えなかったので、個人的には苦手かな。笑
吃音の役だったヤン・イクチュンも吃音がリアルでよかった。

あと演者の演技が良い。菅田将暉もヤン・イクチュンも素人からボクサーへの転換を上手く体と心で表していて、凄い関心したなぁ。
特に菅田将暉の狂気の入り混じったファイターっぷりは凄い。完全に闘っているとき目が逝っちゃってるもん。

ラストシーンの血は作り物っぽくてちょっと冷めたけど。たまーにこういう血があるけどなんとかならないもんかね。

全体的に暗い雰囲気だが、その暗い雰囲気と人間ドラマが絶妙にマッチして続きが気になる作りになっている。前編後編の作りになっている映画はあんまり好きじゃないけど、これはかなり期待できそう。

後編が気になる映画。
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