遂に完走した。二段組み五百頁ぐらいの小説を読み終えたような、物凄い達成感と満足感がある。
ローマのとある中流階級の家庭の30年を追った大河ドラマであり、学生運動、テロリズム、精神病院改革、マフィアとの闘いといったイタリア現代史の主要なトピックに正面から取り組んだ大作…というだけですでに好みだし、ローマ、フィレンツェ、トリノ、パレルモと舞台を移し、緩急を交えた語りと美しい映像で6時間超の長尺でも飽きさせない、素晴らしい映画だった。(劇場公開時は某波ホールで上映していたというのはちょっと俄かには信じがたいけど…)
温和で朗らかな兄ニコラと、対照的にナイーブで危うい弟マッテオ、彼らと関わるジョルジアやジュリアやミレッラたち芯の強い女性陣をはじめ、登場人物たちも主役から端役までみな魅力的だった。あの飛躍はずっと忘れられないと思う。
久々にイタリア映画をあれこれ観たくなった。