FutosiSaito

新感染 ファイナル・エクスプレスのFutosiSaitoのレビュー・感想・評価

4.0
 どきつい残酷描写がなくても、それぞれの人物の背景にある事情も描いた、「グランドホテル形式」のゾンビ映画だった。
 韓国映画はもともとパッションが高いのだけど、これはテンションまさに緊張感も高く、さらに感動を呼ぶというまさにエンターテイメントだった。
 高速鉄道の中での感染というゾンビものだということで、どこまで物語が緩まないでいられるか心配だったのだが、それも杞憂だった。
 日本のゾンビ映画(撮影は韓国だが)『アイアムアヒーロー』が新機軸を作り、『Zアイランド』もあったりで感心していた。
 しかし、韓国映画はもっと上を行っていた。
そして、これは戦争や難民の逃亡のメタファーだ。命がけで逃げる間に、家族や大切な人が亡くなってゆく。
その悲しみを描いてるからこそ、そこでのエゴをも描いてるからこそ、秀れて観客を惹きつけるのだ。
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