寝屋川の工場長

レッド・スパローの寝屋川の工場長のレビュー・感想・評価

レッド・スパロー(2017年製作の映画)
4.0
なんやかんやあって、なかなか映画を観れず、ようやく映画館に行けたので鑑賞。友人のプレゼンが思いの外刺さり、期待が高まっていた状態で観た。一言で言えば強烈な作品だ。
本作ではアクションやスタントと呼べるものは無く、相手の弱みを握り、重要な情報を聞き出すといった本物のスパイに近い人物を描いている。夢破れてスパイの身に堕ちた主人公ドミニカの葛藤と心の危うさも添えられているので、感情移入もできる。細かい部分に伏線や面白みを見出だせたので、良い作品だったと思う。
尋問(物理)や拷問のシーンが苦手な人には勧めがたい側面を持つが、その辺りもスパイ映画と考えれば一興。
冒頭とクライマックスの演出の対比が個人的にすごく好き。冒頭のバレエのシーンでは、ドミニカの輝かしい面とアメリカCIA局員の日陰者としての生活の対比。終盤のシーンでは、スパイとなった後のドミニカに拍手と喝采が鳴る頃には、本人は舞台から、そして劇場からも去っているという形に変化している。
(え、最後のシーン?あれはちょっと別物と考えていただいて…あぁごめんなさい皮膚剥がないで…)
約140分という長めな映画ではあるものの、全体を通して濃密な物語が展開されるので、注目すべき場面も多く、長くは感じなかった。リアルに近いスパイ映画が好きな人には、鑑賞することを強く勧めたい。




P.S. ハンガーゲームの時のジェニファーローレンスとは全然違う雰囲気で驚いた。何考えて動いてるかわからない人物が、最終的に全て明かすタイプの映画いっぱいしゅき。