♪ I want you!(I want you!)
I need you!(I need you!)
I love you!(I love you!)
頭の中 ガンガン鳴ってるミュージック
ヘビーローテーション
圧倒的にB級ど真ん中ストレート。
正直なところ、ともさかりえさんを起用しただけで予算が尽きたのではないか…なんて野暮なことを考えてしまう仕上がりでした。
特に演出関連が顕著。
「予算がない＝時間がない」ですからね。奇抜な試みで失敗しても撮り直す暇はありませんから、基本に忠実になるのは仕方がない話。一定の品質を保つためには無難な選択が大切なのです。
だからねえ。
一見したら残念な作品なんですけどねえ。
それでも、批判する気にならないんですよねえ。
何しろ、本作の旨味は着想にあり。
「ゾンビは希少な存在なので取り合いになる」という既存の立ち位置を反転させた発想が面白いのです。
また、ツッコミ役の角田晃広さんが素敵。
東京03のコントを彷彿させるキレの良さが気持ちいいんです。
ゆえにB級と踏まえて（寧ろ、コントの延長線と捉えて）、過度な期待は抑え（寧ろ、期待してしまったら負け、くらいの意気込みで）、その着想を愛でる…そんな大らかな気持ちが肝要。確かに、どんな映画でも、最後に入れる調味料は“観客の想い”ですからね。積極果敢に塩胡椒を振りたいところです。
まあ、そんなわけで。
説明パートにアニメを使う演出（しかも、あまり動かない）など、低予算丸出しのホラーコメディ。その“安っぽさ”にツッコむ姿勢が楽しむ秘訣です。
但し、一点だけ注意してください。
基本的にホラーですからね。
B級的な仕上がりも含めて、耳から何かが垂れそうなくらいに“ユルい”作品ですけど、その“ユルさ”に気を許すと、グロテスクを許容する展開に肩が下がります。
ぶっちゃけた話。
最初から最後までコメディで貫いていたら…もっと巷の評価は上がったと思います。でも「飛べないブタはただのブタだ」みたいな感じで「誰も死なないホラーはホラーじゃない」のかもしれませんね。
