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否定と肯定のreifのレビュー・感想・評価

否定と肯定(2016年製作の映画)
3.9
全員が言っていることを自分も言います。こういうことは全員で言わなくてはいけないから。原題は『否認』であり、邦題『否定と肯定』は悪意ある誤りです。あるいは、日本配給が映画の意味を理解していない。本当に腹が立つ。アーヴィングは「ホロコーストを否定」するトンデモ偽歴史学者であり、対するデボラは「アーヴィングの見解を否定」している。否定と否定の闘いであり、誰も何も「肯定」していない。ホロコーストを「肯定」? ふざけんな。歴史的事実は事実であり、見解の相違とは位相が異なる。最近の日本のマスコミに顕著な「両論併記」は、まったく公正ではない。腰が砕けて卑怯なだけだ。事実は事実です。

と、ホロコーストには真面目に向き合うわたくしですが、レイチェル・ワイズには『トゥルース』でちょっと恨みがある。国連の組織的買春を告発する、これもクソ真面目な映画でカンバーバッチ詐欺に遭ったんだよ! 社会派にしか出ない人?(誤解であってほしい)。英国文化の中で浮いてる米国人は痛々しかったしオレンジ色の髪も変だし、なにより走る姿が美しくないんだ。減点!
王立裁判所 Royal Courts of Justice の中を見せてくれるロンドンの魅力を知り尽くした BBC テクニック。法廷ドラマとして息詰まる…、ってほどではなく、バカ(わたし)にわからせたい優しい気持ちを感じた。ヒールが思いっ切り悪人顔のバカだから…。こんな硬派なのが作れるのが羨ましい。アンドリュー・スコットとマーク・ゲイティス兄さんがいい役なのも我々シャーロッククラスタにはポイントが高いです。判事は『マグノリア』のクイズ少年か?(名前を覚えろ)。

アウシュビッツは青いんですね。『SHOAH』でも青かった。法廷記録が本になってるなら読みたい。ホロコースト否定論者と闘うために理論武装したい
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