ぎょうざかしゅうまいか

君の名前で僕を呼んでのぎょうざかしゅうまいかのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.4
「何一つ忘れられない夏」

◆あらすじ
1983年の夏
北イタリアの避暑地で家族と過ごす17歳エリオ。エリオの父は大学教授で、その助手としてアメリカから大学院生のオリヴァーがやってくる。オリヴァーは夏の間、エリオたちと一緒に暮らすことになる。
オリヴァーの態度が気に食わず、反発してばかりのエリオだったが、一緒に過ごしていくうちに、オリヴァーに惹かれていくエリオ。次第に二人の距離は近づき、、、

◆感想
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日常生活が淡々と展開され行く
登場人物の喜怒哀楽が多くないので
あまり感情の起伏がおきない映画だと思っていたが、中盤のエリオの涙から一転する。
それまでの淡々と流れていくストーリーはこのためかと感じるほど、急に切なくなる。

それまで抱えてきた彼らの生きづらさと
幸せ、儚さ、後ろめたさ
が感じられるようになる

なので
最後までしっかりと見た方がよい作品

だが、ゆったりとした展開や
淡々と進むような映画が苦手な人には向かない映画かもしれない。

ただ、エリオの涙からは目が離せなくなる

特にラスト
映画のタイトルから察するに
劇中にそういった描写があるのだろうということは、想像できるが、
一番欲しいだあろうタイミングで演出され
それまでのストーリーを思い返すきっかけになり、エリオの心情に思いを馳せざるを得なくなる。
何より、父の言葉は誰の胸にも刺さるのではないだろうか。
父の言葉だけでも見てほしい。と感じるほどのインパクトであった。

2023.65作目