20世紀の映画を彷彿とさせる絵と音に展開。
短期決戦のネット動画に慣れた人が家で観たら最初の5分位で再生を停止したくなるのではと心配になりつつ眺める。
でも、刺激がないから、自然や人間の造形の美しさを能動的に発見する。
イタリアの夏は、人生だ。
そして、この冗長とも思われる前半なしには後半は輝かないことを後に知ることになる。
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映画で描かれる恋愛に感情移入できるかは、お互いにとって相手が唯一無二の存在であることが伝わることによって決まる。
エリオとオリヴァーは、お互いに深くリスペクトしているところが伝わり、深く共感できた。
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そして家族愛。
こんなに素敵な家族が現実にあろうのだろうかと思わせるような。
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清濁すべてに美しさを見つけさせてくれる、そんな素敵な映画だった。