真世紀

ザ・リング/リバースの真世紀のレビュー・感想・評価

ザ・リング/リバース(2016年製作の映画)
3.4
海外版リング、リブート。冒頭ではサマラの呪いの映像を見せられた男が飛行機の中で7日目を迎えての大惨事が描かれる。そこから出て来るか、となかなか愉しくなるが本編は趣を変えてというか、サマラのルーツを辿るカップルの話に。

ヒロイン、郷里を離れて進学した彼氏と連絡取れなくなり、彼の大学へ。そこではサマラの呪いを研究する教授がおり、彼女も成り行きで映像を観ることになるが、なぜか、彼女の観た映像には水没する教会など新たな内容が追加されており、謎を解明すべくサマラの故郷に向かう。

サマラ、薄型テレビからも這い出したり、何よりビデオではなく、映像ファイルでやり取りされてと現代への対応ぶりに感心してしまう。されど、クライマックスがなぜかサマラではなく、キーパーソンとの対決になったり、あれっ?という感じになるのは残念。

まあ、日本での続編含め、ルーツ話はもうこれ以上掘ってもなので、個人的には冒頭の飛行機のように暴力的なまでに拡散する呪いを描いた振り切ったシリーズ作品を観てみたい。例えば、スピリチュアルに感心ある首相夫人がたまたま呪いの映像を観てしまい、軽率にも権力中枢含むお友だちに拡散。国会中継中に閣僚変死まで起こる事態となり、焦った首相は「私が先頭に立って取り組む」と霊的な国防非常事態を宣言。いつものやってる感ではなく本気で、宗教界などにも協力を求めて呪いを鎮めようとするも、かつて平将門や菅原道真の怨霊に適用された御霊信仰の枠組みでは対応しきれず、という正面から国家対貞子を描くみたいな。

ゾンビ映画では発生当初から国家崩壊後まで色んなシチュエーションが描かれてきたけど、呪いではどうなるのか観てみたい。ネットでの拡散までは描かれてるけど、その先の事態がどうなるか。
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