つかれぐま

レザボア・ドッグスのつかれぐまのレビュー・感想・評価

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)
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【神は細部に宿る】

建築の世界が起源とされる言葉だが、タランティーノの創作哲学を表すのにこれほど適切な言葉はない。このデビュー作にも(意表を突くように)メタに登場しているのが見逃せない。

そして人生哲学も垣間見える。
「ボンクラにも魂あり」
どんなボンクラ(人間)にも(B級映画にも)ちゃんと魂がある。それを嗤うな、舐めるな。とでも言いたげな熱い叫び。次作『パルプフィクション』で大いに発露されるこのテーマは、本作から通底するタランティーノの信条だ。

★ネタバレ★監督コメ引用。
ラストシーン。オレンジはホワイトに真実を話す必要はなかった。それでも話した理由をよく聞かれるが、その質問には答えたくないね。でも、日本や香港ではその質問が出ないんだ。あのシーンを端的に表す言葉は(英語には無い)ある日本語。それは「仁義」。英語の"Honor"とは違うその言葉の心が日本人には解るからね。