1960年代 台湾。歪んだ世界をひたすらに生きようとする子供たちの群像劇。
長かった…。4時間をしっかりと4時間に感じられるまあまあ苦痛な4時間。登場人物はかなり多く、名前もあだ名も独特で覚えづらいことこの上ない。
しかも困ったことに最後に「なぜ…?」と思った瞬間から、自らの記憶を辿るさらに長い物語が始まる。観賞から2週間経つが余韻が収まることはなく、淡々とリアルを積み重ねているように見えたプロットは全てに価値があり、無数のメタファーを散りばめてほぼ完璧に構成されていたことを気付かされる。自転車、懐中電灯、エルヴィス・プレスリー…。こんなに良くできた映画をほかに見たことがない。
思春期という得体の知れない怪物を、あらゆる角度から精緻に描き切った佳作。生きることに答えはなく、それでも生きなければいけない。