やまぞう

羊の木のやまぞうのレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
4.0
過疎化が進む地方の町に、6人の男女が移住してくる。

彼らは皆んな元殺人犯。

極秘の行政プロジェクトとして、犯罪者の社会復帰とか自立を支援するのは分かる。
しかしながら、町中に触れ回る必要は無いと思うが、さすがに前科者の受け入れ先の雇用主には事実を知らせないと。

殺人犯にも、それぞれ事情がある。
殺すつもりが無くても、ふとした拍子に人を殺めてしまうケースは誰にでも起こる可能性がある。

それでもやはり、人殺しは何らかの善悪の彼岸を超えてしまった人的な目で見てしまう心理は、罪を犯した事の無い人にしてみれば、当たり前なのかもしれない。

罪を償い更生してるとしても。
普通に話してても、ふとした拍子に
「ああ、コイツ人殺してんだよなぁ。。」
と、日常には溶け込めない禍々しさを本能的に感じ取る生物が人間なんだろう。

そして、事件は起こる。

原作は未読だが、何かが必ず起こる不穏な空気が全編に漂うストーリーは圧巻。

心底、真っ当な人生を歩みたい殺人犯もいれば、邪悪が皮膚に染み付いて更生すら虚しい殺人犯もいる。

まぁ、一言だけ言わせてもらえれば、
この行政プロジェクトは、穴だらけっつーコトで。
やまぞう

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