まりぃくりすてぃ

名前のまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

名前(2018年製作の映画)
2.7
第1章 面白かった。
第2章 テンションキープは褒めれるが、ゴチャ感少し嫌い。
第3章 種明かし。サッパリして後味よい。全体への満足度は微妙かな。

「起承転結」の「起」のままなかなか展開していかなくて、「起」だけで終わっちゃいそうなユニークさが第1章を覆ってた。そんな大人の部は(トラブリーな同窓会シーンもふくめて)観やすかったんだけど、第2章の高校生の部になってからは人物相関のトンガリぶり等がちょっと疲れさせる迷走気味脚本?
いいえ、確信犯的に凝ってる構造なのでした。最終章で予想外の後味が来て、「起迷結」と決めつけるよりは、不思議さを巧みさだと認めてあげたい気もする。。。

俳優たちの吐いた息が、私たちの欲する酸素になってたかも。不断に光合成する映画。演技よかったから。
前半のクスクスチョッカイぶりと、同級生男子相手にキレてみせたド主役シーン。どの時点での駒井蓮さんもポイント高い。
その駒井さんを演劇部内で痛めつけた役の金澤美穂さん、あれほぼ全部アドリブだって!
同じく完全アドリブだったという終盤の、“父と娘”のロング会話のとこの、津田寛治さんのヤンチャっぽくてくたびれてもいる足の組み方が、最高だった。
駒井さんとの二人きりの時間帯が多いのに、津田さんはちっともエッチなふうじゃなかったね、終始一貫。この清潔さ重要。中盤以降の軽やかな“父性”へと自然につながっていった。そして彼の胡散臭さ部分は、終盤の“父じゃないです”で置いていかれるしんみり感へと帰結。──────どうしたって津田寛治さんが主役だね。(津田さんの出てこない時間帯は凡作だった、のかもしれない。だから第2章を私は楽しめなかったようだ。そういうことにしておこう。でも、くれぐれも、駒井蓮さんがダメだったわけじゃないからね。)