藻類デスモデスムス属

退屈な日々にさようならをの藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)
4.5
ふてねした。


カネコアヤノのライブにいきたい。早速公式サイトを調べてみたら、年内は全て売り切れていた。唸り声をあげる。お腹も減ったし、ベッドの上で何もしない。まだ帰ってこない。うつぶせて、ねじ曲がった顔についたまなこはビー玉のよう。視界の隅の机には食べかけのおかき。引き寄せようと、手を伸ばしても届かない。力なく腕が落ちる。今日、サメのスリッパが一足消えた。この狭いけれどこ綺麗な部屋でなくなるわけがない。のに消えた。新宿のフライングタイガーコペンハーゲンで買って、次行った時はなかったから、もうたぶん買うことはできない。残されたサメちゃんは口角をあげて笑ってる?けれど、その裏に隠された哀しみははかりしれない。深海のサバイバルに出かけたのかもしれない。足が冷たいので床に下りたくない。だから、年末はどうして過ごそうか、とか考えてる。夢は膨らむ。この前明らかになったカードの不正請求の請求元であるモーリシャスにいこうか。コペンハーゲンもいいかもしれない。ちょっとスカイスキャナーで調べてみたら、くそ高くて夢は潰えた。まだ帰ってこない。あぁ、でも年末も忙しいな。電話のことを思い出す。三回かけたけど、どちらも打ち合わせ中と言われてしまった。あー絶対嘘だよ、居留守使われてるわ。だんだん腹が立ってきて、奇声をあげた。まだ帰ってこない!お腹減った。壁をどうしようか。はじめは全部白く塗ってしまおうかと思ったけれど、ミルクカラーペイントを何色か混ぜたほうがきれいかもしれない。やってみないとわからないけど、やるまえにわかるほうがやる気がでる。いちいち塗り替えるのは面倒だ。考えすぎて疲れた。もういやだ。まだ帰っこない。今日は早く帰ると言った、言ったのに。暇だ。
ベッドの上に横になって、
とんだりはねるを繰り返す。