
グレーのスーツ、地味なネクタイ、きっちりと整えられた髪。よく独り言を呟く神経質な男、田中。一見普通に見えるが、職業は大村組幹部というヤクザ者。時には素人をいたぶり、ケチな取り立てなど、若い衆がやるような仕事もこなす日々。独身だが、自分の情婦・芳江に素人娘を高級娼婦へと育てあげるようなことまでさせている。大村組の若頭でありながら、組長に疎んじられている田中は、危険な仕事ばかり回される日々に、苛立ちを募らせていた。そんなある日、組長の大村は、田中に新しい組を作れと命令する。上納金だけ絞り取り、跡目は若い倉内に継がせようとしていることを察する田中。もがき苦しみながら極道という修羅場をしたたかに生き抜こうと、田中は野心を燃やす――――。
幼い頃から吃音に悩まされ、暗い青春を送っていた溝口。金閣寺を知って以来、美の象徴として憧れ続けてきたが、大学生となり、女性たちと関係を持とうとしても、金閣寺の幻影が邪魔をしてうまくいかなか…
>>続きを読む戦後の広島。田山仁(小沢仁志)は6年の服役後、「第二次広島抗争」を集結させる立役者となる。広島やくざ社会において田山の名前を絶対的なものにしていった。田山が鳳政会二代目理事長に就任したこと…
>>続きを読む飛桜会々長・吉町(白竜)は昭和30年代に当時の会長・谷山(清水宏)のもとで博徒として、男として修行していた。吉町は着々と任侠道を邁進して行った。そんなある日、飛桜会の賭博場に現れた音松小次…
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