グレーのスーツ、地味なネクタイ、きっちりと整えられた髪。よく独り言を呟く神経質な男、田中。一見普通に見えるが、職業は大村組幹部というヤクザ者。時には素人をいたぶり、ケチな取り立てなど、若い衆がやるような仕事もこなす日々。独身だが、自分の情婦・芳江に素人娘を高級娼婦へと育てあげるようなことまでさせている。大村組の若頭でありながら、組長に疎んじられている田中は、危険な仕事ばかり回される日々に、苛立ちを募らせていた。そんなある日、組長の大村は、田中に新しい組を作れと命令する。上納金だけ絞り取り、跡目は若い倉内に継がせようとしていることを察する田中。もがき苦しみながら極道という修羅場をしたたかに生き抜こうと、田中は野心を燃やす――――。
交番勤務の巡査・菊川玲二は、正義感は人一倍強いものの、警察学校を史上最低の点数で卒業し、巡査になってからも始末書ばかり書かされる日々。そんなある日、玲二は署長の酒見に呼び出され、突然クビを…
>>続きを読む代紋や盃に縛られることを嫌う竹中正久は、極道激戦区・姫路において、弟の英男、正、武らと一統を形成し、愚連隊のような生活を送っていた。喧嘩では無敵を誇り、極道さえ恐れる彼の名は各地に広まって…
>>続きを読む大阪。佐橋組傘下の尾田組・組長・尾田は、本家の意向で引退を迫られる。二代目候補の筆頭は武闘派の藤巻だったが、佐橋組は頭脳派の矢萩を指名。矢萩は兄弟分である藤巻を跡目に推すが、組長の座に固執…
>>続きを読む「棒っきれのように生き、棒っきれの様にくたばる」人生に甘んじている大村組の中堅幹部・田中。ある日、組長命令で組の分家を命じられた田中は、本家に吸い取られる巨額の上納金と、それを工面するしの…
>>続きを読む暴力的なもうひとりの人格・松夫に悩まされている鶴丸杉夫は、丹義会の組員である松夫に引きずられ、自らもシノギをこなす日々を送っていた。ある日、丹義会が美人演歌歌手・高いづみのショーを仕切るこ…
>>続きを読む桜井鉄太郎と金沢慎一が対立するなか、桜井の舎弟で白虎会会長の越智俊英が金沢組組員に襲撃された。桜井はついに三代目島田組の命運を懸けて、金沢組とそのバックに控える横浜・大徳組の殲滅に向けて、…
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