柏エシディシ

ポップスターの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ポップスター(2018年製作の映画)
1.0
これは……今年一番退屈な映画だった。
オープニングタイトルとエンドロールの「カッコつけ」感というか、センス良さげに見せようとするスケベ心が逆にこちらの神経を逆なでる。
プロットも演出も編集もヘタクソ過ぎる。酷い。
コロンバインの銃乱射事件を思わせる悲劇からカリスマポップスターになるという基本プロットながら、セレブの孤独なのかスターシステムの社会的批評なのか、描きたい主題もブレブレで全く見えてこない。
素材として、あの事件を引っ張ってくるのであれば、もっと誠実に扱うべきだし、
その事による主人公の影響などがほとんど説得力をもって描かれていない。
かように、「素材」はごろりと作品の中にたくさん転がっているのだけれど、どんな風に料理したいのか分からないし、そもそも味ついてないじゃん!これ!こんな食べれるかよ!ってなる。
極めつけは、本作のクライマックスに当たるであろう、ナタリー・ポートマンのライブパフォーマンス。
終盤まで出し惜しんでいた割には、おそろしく稚拙な出来。
ビヨンセ、レディガガ、マドンナ、テイラー・スウィフト……まぁなんでも良いけれど、彼女たちの、その醜悪なパロディの域を出ない。
ナタリー・ポートマンは頑張っている。しかしだからこそ、その衣装とダンスの振り付けのダサさが痛々しい……可哀想になってしまった
王道の音楽スター映画にも、それに対する批評映画にもどちらにも振り切れていない。コレ観るなら、Netflixのテイラースウィフト「ミスアメリカーナ」を観ることをオススメしたい。
柏エシディシ

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