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タリーと私の秘密の時間のcinemakinoriのレビュー・感想・評価

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)
3.7
ある映画好きの女性から薦められて、その日のうちに鑑賞。

思い出す。
次男を産んでくれた後の妻の大変さを。
産後鬱、、、私の妻も少しこれに近い状態だったと思う。
まだ小さかった長男を見ながら産まれたばかりの次男に翻弄される妻の姿は今も忘れない。
妻への負担を出来る限り無くそうと、それなりに家事や育児に積極的に参加してきたつもりではあるが、この作品を観た後改めて振り返ってみると、果たしてどれだけ役に立てたのか疑問でしかない。
つくづく私の育児的思考回路なんて妻のソレに比べたらあまりにも浅はかで短略的だったんだろうなと猛省するばかり。

シャーリーズ・セロンの役者魂にひたすら頭が下がる。
異色な役柄で大変貴重な作品の一つ。
アトミック・ブロンドやマッド・マックスのイメージからは余りにも掛け離れ過ぎていて、その圧力と役作りに対する彼女の思い入れこそが、この映画の社会的で良質な強いメッセージ性を存分に表している。

タリーと言う完璧過ぎるシッターの謎が一気に解き明かされ始める頃、夫婦や出産、そして家族という普遍的で根源的な愛のテーマを思い知らされ、そして深く考えさせられる。

隣の寝室で爆睡する妻に“ありがとう”と伝えたいと素直に思う2020年 午前2時30分の秋。
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