少し遠巻きに眺めてみれば…
かつての加害者とかつての被害者としての2人が、繋がるってラストなんだよね。
ホロコーストが人の歴史に深い傷痕を遺したってのは、これまで観てきた作品でも描かれてきた。でも、これはその凝り固まってる『わだかまり』を、やんわりと揉み解そうとしてるみたいに感じた。
黒人と白人との間にある溝だったり…それは未だに解消はされていないんだけれど…
過去を、歩み寄れない理由にしてないか?
そういう問い掛けなのかもな…って。
相手を好きであることに、過去や人種は関係ない…とは言い切れないんだけどさ。
言い切れないけど…好きって思ったのも事実なんだって、認めてもいいんじゃない?
bloomってのは『咲く』ってこと。
花が咲くには、たくさんのものが必要。
一輪だけ風に揺れる花の姿が思い浮かぶ。
たった一輪…それを増やせば百花繚乱。
繚乱までは…とても遠いな。
だとしても…この一輪はとても尊い。
『咲かない』とは言い切れない。
咲くかもしれないから慈しむ。
過去は過去だけど…でも、その過去が、永い時間を掛けて結実することだってある。
悠久を感じさせてくれる。
平均スコアは低め(苦笑)
確かにエキセントリックなザジと偏屈なトトのロマンスとして観れば…難解なコメディにもなっちゃうから納得なんだけど。
現代の作品で、ホロコーストを持ち出して、このテイストに落とし込むってのは…
少しだけ気持ちが軽くなるよね。
ようやく、こういう風にも思えてきた…
って感じがしませんか?
蕾が膨らんできた気がする。
なんともシニカルな暗喩もあったけど(爆)
緑と赤の描写とか、過去を越えて美しく輝く街の光景だとかもハッとさせてくれる。
最後は…穏やかな陽の下で、そよ風を感じるみたいな…爽やかな気持ちにさせてくれる作品でした。