カツマ

ディザスター・アーティストのカツマのレビュー・感想・評価

4.5
史上最低の映画が大逆転で史上最高のキングオブカルトムービーになってしまった、あり得ないような実話を映画化!
世紀の迷画、奇跡の駄作といったパワフルな枕詞を持ち、今やカリスマ的な人気を博すほどになった伝説の映画『The Room』。この迷作がどのようにして生まれたのかを描いてみたら、溢れ出る情熱の炎が燃え盛り過ぎて、もう終わってみたら大爆笑(笑)!
元ネタの『The Room』を見ていても、見ていなくても問題なく楽しめる作品です!

俳優としては順風満帆、監督としては毎回迷作を送り込んでくるジェームズ・フランコがメガホンを取った、というところもいい(笑) 彼の『The Room』への尋常じゃないレベルの愛が炸裂しまくっていて、元ネタ完全再現とも言えるシーンの連続が最高に笑えてしまう!ジェームズの役作りも完璧過ぎて、もう本当に『The Room』が好きなんだな〜、って思えてしまいました。

〜あらすじ〜

1998年、サンフランシスコ。俳優を目指すグレッグは、その日も俳優学校の舞台の上で緊張してまともな演技すら出来ずにいた。だが、彼の後に壇上で鑑賞者側がこぞって引くほどの狂った演技を披露した男がいた。その男こそがトミー・ウィソー。近い将来、史上最低の映画を世に送り出す男との出会いだった。
グレッグはすぐにトミーと仲良くなり意気投合。二人は映画の話で盛り上がり、ジェームス・ディーンの墓前で夢を語った。
トミーはどうやらかなりの金持ちのようで、ロサンゼルスにも家を持っていた。俳優になる夢を叶えるため、グレッグとトミーはロサンゼルスへと拠点を移し、オーディションを受けるようになるのだが・・。

〜見どころと感想〜

最初から最後まで『夢を叶える』ために突き進む二人を描いた映画だった。映画に出たいというグレッグの夢を叶えるために、トミーは映画製作へと踏み出し、実際にそれを実行に移してしまうのだ。そんな普通の人ならやらないことを、無尽蔵の財力と無軌道な突進力で一点突破するトミーはもう真の変人。完全なる変人だ(笑)

この映画の素晴らしいところはトミーの変人具合をダイレクトに描くことに迷いがなく、トミーに翻弄される周囲の人々の頑張りもしっかりと画面上に焼き付けてみせたこと。『The Room』は本当はもっと酷い映画になるはずだったが、グレッグやスタッフの決死の忍耐が、何とか映画としての艇をなすに至ったという部分はかなり真実味がある描かれ方をしている。

そしてこの映画は出演俳優陣が熱い。フランコ兄弟、セス・ローゲン、そしてザック・エフロンまで。ザックなんてあまりにも印象からかけ離れているので気づかないかもしれない(笑)
カメオ出演も強烈。ワンポイントでシャロン・ストーンなど大物も登場。大ネタ小ネタのオンパレードが、『The Room』という映画がどれだけ愛されているのかを画面上で表現してみせた。

〜あとがき〜

劇場公開されなかったのが本当に残念!こんなに面白いのに!(配信やTSUTAYAのレンタルで観ることができます)

エンドロールの最後までしっかり面白いのでお見逃しなく!最後の15分で随分笑わせてもらいました(笑)『The Room』見てみたいな〜!
カツマ

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