ごてふ

わたしたちのごてふのレビュー・感想・評価

わたしたち(2016年製作の映画)
4.0
恵比寿ガーデンシネマにて。順次拡大予定らしいが、いまのところ全国唯一の上映館。キャパ93に対して単身女性中心に30名前後の入り。興行と作品の質が比例しない好例だろう。相変わらずいじめは社会問題として度々報道される。古今東西、集団や組織がある限り、原罪のようなものでなくならないだろう。10歳の少女たちにとって家族と学校が世界のほぼ全て。カメラは皮肉なまでに清澄なトーンで彼女たちの日常に寄りそう。児童劇団特有のこまっしゃくれた演技などしない子供たちの自然な芝居が断然良い。そこにいる誰かしらは嘗ての自分自身である。出会いや接近があって、親密になり秘密を共有し、反目や排除があり、傍観したり対決したり、そして人の痛みが判って少しづつ大人になる。まだ30半ばの繊細な女流監督は、声高に道徳的なメッセージなどを込めようとはしない。国境や年代を超えて共感できる作品だと思ふ。
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