Bigs

わたしたちのBigsのネタバレレビュー・内容・結末

わたしたち(2016年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

子どもたちの心の動きを丁寧に、誠実に捉えた大傑作だと思いました。

学校で疎外感を感じるソンと、転校生のジアはふとしたことから仲良くなり、夏休み中即ち周囲の圧力が無い期間に仲を深める。しかし母親と疎遠のジアはソンに嫉妬心を抱き、またいじめっ子ボラが現れると過去いじめられた経験からジアはソンとの距離を取るようになる。それでもソンはジアと関わろうとするが、ちょっとした誤解、周囲の悪意により言い争いや暴力に発展し、2人の亀裂は決定的になったように見える。それでも、より無邪気な弟の話を聞いたソンはまたジアに歩み寄ろうとしていく。

まず、本作は子どもが主人公ですが、結局は子どもに限らず人間の根本的な性質に関わる物語だと思って観ました。
元々友好的な人間同士の関係性が、どういう要因により悪化していくのか、そして重要なのはどうしたらそうならないのかという答えのヒントが、普遍的な物語として語られていたと思います。
嫉妬心や周囲の同調圧力により少しずつ亀裂が入ること、やられたらやり返すの論理で悪口や暴力に発展していくことは観てるだけで痛ましい。心優しいソンが暴力を行使するまでになるのはショッキングだった。

映画全体として、ストーリテリングがハイレベル。位置関係で隔たりを表現したり、小道具(爪のマニキュア、色鉛筆)の使い方も上手い。終盤の顔の傷(絆創膏)は、そのとき心に負っている傷を表していたり。あと、とにかく子役の演技が素晴らしく、特にソン役の子は表情1つでニュアンス豊かに感情を表現していた。