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ザ・マジックアワーのsingerのレビュー・感想・評価

ザ・マジックアワー(2008年製作の映画)
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三谷幸喜の映画は「ラヂオの時間」以来でした。
「ラヂオの時間」は凄く良い映画で、自分の中でも忘れられない名画のひとつに数えているくらいなんですが、
何故かそれ以来、彼の作品を観る機会は無かったんですよね。

理由は「ラヂオ~」が本当に出来過ぎなくらい良い映画だったので、これを越えられる気がしなかったと。
で、今回の「ザ・マジック・アワー」は、その予想通りになってしまったという感じですね。

今回は予告編が面白そうだったので、凄く期待して観たんですが、三谷作品にしてはガッカリでした。
作品としては、よく出来ているし、随所に三谷マジックと言うべきユーモアセンスも発揮されているんですが、
本筋のストーリーに入って行けなかったのが残念。

後、海外の街並みと、昭和初期の日本映画をミックスさせたような全体の世界観。
その、目の付けどころはとてもユニークなんですが、そういう背景作りばっかりに拘り過ぎてたような気もしました。
なので、もっとストーリーを作り込んで欲しかったですね。
ラストシーンもあまりにもアッサリしてるし、ちょっと物足りなかったです。

登場人物の描写もいま一つで、世界観が現実離れしているせいか、
あまり感情移入出来なかったし、描き込みも中途半端だった気がしました。
細かい所ばかりにスポットを当てたせいか、芯になる部分が光って無かったという印象でしたね。

キャスト陣も豪華過ぎるわりには、印象に残る人は居なかったですね。
三谷作品って言うと、邦画界ではひとつのブランドみたいなものだと思ってたんですが、
正直、この作品では、その価値は見出せませんでした。

一兎か二兎で程良いのに、五兎くらいを追いに行ってるというか、
やっぱ監督作が積み重なって、期待される内容のハードルが高くなっていったせいなんでしょうか、
どうもシンプルさを欠いているような印象がありましたね。

というより、自分とは馬が合わないのかも知れないですね。
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🎦こちらは、2008年12月28日にブログに書いたレビューです。

先日、「記憶にございません」を観て、確かこの作品は観た事あったなぁと思い出したんですが、この時から既に「ラヂオの時間」は越えられていないという評価をしていたんですね。
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