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Coldplay Music Of The Spheres: Live at River Plateのsingerのレビュー・感想・評価

3.8
これはもう、見たら絶対に後悔するだろうなぁと思っていたんですが、
案の定、見ている途中から、後悔しまくり。

「やっぱり、見に行きたかったぁぁぁあああああっ」

と、去年の11月、自分の誕生日に東京ドームで来日公演をしてくれたのに、
見に行けなかった事を、メッチャ後悔してしまいました。

今回のColdplayのライブ、「Music Of The Spheres Tour」。

バンドの世界的な人気、ヒット曲の数々を配したセット、
ステージの演出、そして、バンド自体の成熟度。
それらを加味して考えると、
これは、もう世界最高峰のライブショウなんじゃないかと思いましたね。

参加していたファンの、その表情を見ていたら、
みんなが満面の幸せに満ち溢れていて、やっぱりColdplayのライブは、
本当に多幸感あるものなんだなぁと、見ていて実感させられました。

セットリストも、もう本当、長年のファンから見ても神かがってるとしか言えない、豪華さ。
Coldplayって、なんかヒット曲を封印したりとか、そういうバンドの我の部分が殆ど見えなくて、本当にファン主導で、特にライブでは、ただファンを喜ばせたいっていう気持ちが一心に感じられるのが良い。

今回も、かなり早い段階から、「VIVA LA VIDA」が来て、ここでもう会場全体が完全に温まって、大きな一体感に包まれるのが凄い。
やっぱり、この曲は世界に誇るような万国共通のアンセムになったんだなぁという実感をさせられました。

さらに、ゲストとのパフォーマンスも、彼らの音楽に対する柔軟性と、どんなものでも取り入れて、バンドをより良い成長に導こうという、積極的な意識を感じさせるものであったし、同国のアーティストのカヴァー曲を披露するなど、サービス精神の高さを感じさせてくれる所も。
そう言えば、自分が行った過去の日本公演でも、SMAPの「世界に一つだけの花」をプレイしてくれたりしたなぁと思って、その精神が、今になっても全く変わって無いことについても、その驕り高ぶらない、彼らの誠実さを物語っていたと思う。

「A Sky Full of Stars」も、既に彼らのライブには欠かせない名曲のひとつになったんだなぁ。
一旦、演奏をストップして、観客にスマホをしまうように呼びかける一幕。
やっぱり、ライブの臨場感は、画面や映像からは、完全には伝わらない、唯一無二の体験なんですよね。
だから、「目に焼き付けて欲しい」という、クリスの言葉には凄い説得力を感じたし、会場中の熱気が最高潮になるシーンは、この作品の大きな見どころのひとつだったと思います。

そして、「Fix You」。
本当に、素晴らしい楽曲だと思う。
ゆっくりと、メロウに始まって、ジョニーのギターソロから、一気に立体感と、色彩感を増し、最後はとても美しいコーラスと、バンドのアンサンブルを感じられる一曲。
ライブ映像を見ただけでも、とても感動的でした。
これは、生で見ていたら、きっと泣いてただろうなぁ。

一通り、約2時間のライブフィルムを観て。
やっぱり、Coldplayのライブは素晴らしいものだと思ったし、今回の来日公演に参加できた人たちは、本当にいい体験をされたんだろうなぁと思いました。

今回のツアーには行けなかったけど。
僕がずっと見てきて、体験してきて、その度に実感してきた、彼等のライブの多幸感が、今でも変わりなく、さらに大きな規模で世界中を駆け巡っている、その事がとても嬉しく思える、そんなライブ作品でした。

「見にいきたかったなぁ」って後悔はしたけど、
「観て良かったなぁ」って、素直に思えました。
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