塚本

ゲット・アウトの塚本のネタバレレビュー・内容・結末

ゲット・アウト(2017年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます


ビジターが、怪しげ・ワケありコミュニティに入ってしまい、少しずつ蟻地獄にはまっていく恐怖ものというジャンルがあります。

この手のジャンル作品はオチよりも、そこに行き着くまで如何に観客を不安と緊張に誘うか、に尽きると思います。
その点じゃ本作は、なかなか頑張っているんじゃないでしょうか。
M・ナイト・シャラマンの近作「ヴィジット」くらいには、じわじわと居心地の悪さを提供してくれてはいます。

…そしてオチなんですが、これはもう今まで幾度となく観てきた“鬼婆もの・怖いアメリカの田舎もの”にボディスナッチャーを掛け合わせるというチョイとしたヒネリを加えています。

しかし、そのヒネリがオチとしてバシッとキマらないんですね。


まず人格入れ替え施術の段取りがグダグダでちっともサスペンスフルじゃないんです。白人じいちゃんの頭蓋骨を切り取って脳みそ剥き出し状態なのに、ドナーとなる黒人青年は、まだ別室で待機状態…。せっかくじいちゃんの隣にベッドが設えてあるのに…。

それと、催眠による洗脳と脳移植を並列に置いているので、結果的に何をやりたいのか分からない(催眠はいらん)。

黒人に、白人の脳を植え込んでもカメラのフラッシュで一瞬、元の意識が戻ってしまうというのも、よー分からん。

結局、この村では活きのいい黒人をさらっては、老いて身体がポンコツになった白人の脳を嵌め込む…ってことですよね。
それにしちゃあ、黒人(もどき)の姿が殆ど見当たらないんです、ていうか3人だけ。。。



….町の人みんなが…“私”も含めて実は死人だった!!…の「ゾンゲリア」くらいに振り切ったアイデアでこちらの肝を冷やして欲しかった。
塚本

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