ぬーたん

gifted/ギフテッドのぬーたんのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
3.0
高評価みたいだけど、私は今一つ感動せず。
天才数学者が主人公のしかも実在人物というのがハリウッド映画には多いし、だいたい感動的に仕上がっている。『ビューティフル・マインド』とか『博士と彼女のセオリー』とか。
数学やスポーツで秀でた能力を持った子供や、理解ない親との話も多いし、これもだいたい泣ける。
『リトル・ダンサー』『天才スピヴェット』『奇跡のシンフォニー』なんかもそう。
今作はどうだろう?天才的な頭脳を持つ7歳のメアリーが、学校に行って、この先どうなるのか?紆余曲折を経てきっと最後に凄いことになるのさ。とワクワクと観始めたが、これはこの映画の主題ではなかった。
途中からは、叔父さんとお祖母ちゃんの裁判よ。
このメアリーはそっちのけで、親権を争い、しかも妥協策?
アメリカらしいわ。
家族愛の話になっていく。
誰にも共感出来ないが、俳優陣は良い。
メアリーをマッケナ・グレイス。
12歳。小柄だから7歳にも何とか見える。
可愛らしい顔に華奢な身体。
ジーっと考える表情は天才少女に見えた。
怒り方や抱きつき方も、リアルで泣かせる。
芸達者な子役だ。
叔父フランクをクリス・エヴァンス。
キャプテン・アメリカ!
実はすぐには気が付かなかった。
イケメンだけどかなり地味だし、個性があまりないから。
爽やかで優しい雰囲気で、好青年のイメージ通り。
このフランクが、現在の状況に至った背景や、日常や、姉との関係などが描き足りず、感情移入が難しかった。
お祖母ちゃんイヴリンをリンジー・ダンカン。
映画やドラマでも時々見るけど、舞台女優として有名な方のよう。
その演技力は確かに上手くて、憎たらしいし自分勝手な役だけど、何だか気の毒な気持ちにもなる。
ただ、やはり感情移入するには、突然現れ騒いで‥という行動が理解し難いかな。
ネットで調べればすぐに孫の天才振りは分かっただろうし。
今更?きっかけが必要だったのか?
そして息子と争うこと自体がイヤだが、勝つために我が息子の汚点を探すとか、不愉快な感じ。
メアリーの担任をジェニー・スレイト。
垂れた目と尖った鼻が個性的と言うか、あまり綺麗ではないけど、チャーミングではある。
好意がメアリーからフランクの方に行ってるのが、何だかあざとくて引くわ。
しかも自宅で…7歳の女の子が居るというのに。
これは必要?
隣人のオバサンをオクタヴィア・スペンサー。
今や、大人気の名脇役。
太ったお節介な、ダンスと歌が好きな、子供好きで、言いたいことを言うさっぱりした性格。というのもだいたい同じ役どころ。
このオバサンは独り身なのかしら?どうしてこんなにメアリーを可愛がっているのかな?
イヴリンの弁護士にジョン・フィン。
テレビドラマの常連で、相変わらずいい感じだった。
1時間半くらいで短めで観やすい。
どうなるのかその展開を観たいから飽きることもない。
でも、何かが足りない。
脚本が弱い。
ひとりひとりのキャラ設定が甘く、共感しない。
この少女が天才である必要性があまりない。
妥協案が酷過ぎる、アメリカでは違和感ないのかな?
着地点も平凡で、驚きや感動が薄い。
お涙頂戴というシーンもそれほどないけど、どうもハメられたような気持ちになった(笑)
片目の猫とか、オチも好きでない。
俳優の魅力と演技でカバーしていると言える。
『ヴィンセントが教えてくれたこと』『ワンダー 君は太陽』に続き高評価な子供ものは結構私はダメだったわ~というパターン。
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