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クローバーフィールド・パラドックスのohassyのレビュー・感想・評価

3.0
「必ずしも新しく生み出す必要はない、というプロデュースの思考」

シリーズの原点である「クローバーフィールド/HAKAISHA」がなぜかすごく好きで、気が向くと観返している。
エイブラムス作品の中で一番好きだと思う。
なぜかと言う割に理由は明確にたくさんあるけどここでは割愛するとして、そのクローバーフィールド世界に新たなエピソードが放り込まれただけで、個人的にはもう楽しい。
ディズニーランドが好きな人にとっての新アトラクションのような感じ、たぶん。

どうして好きなのかなとちょっと考えてみると、どこかでこういう絶望的なカオスのような状況を現実的に待ち望んでいる節があるからだろう、という結論に至った。
さらにどうしてそんな不健全な考え方をするのだろうともう少し深堀ってみると、実際にそういった絶望的な災害などの被害を経験したことがない所以の甘さと、現在の自分に対しての満足度の低さと僻み根性なんかが浮かびあがってきたのでそっと蓋を閉じた。

元々はクローバーフィールド世界と全く関係なかったという本作は、全く別のものとしても成り立つストーリーで、パラドックス、つまり科学の力で異次元並行世界の扉を開いてしまった人間が大変な目に合うという、設定的にはよくあるSFモノ。
ミストという大好きな映画とも同じ。
そういえばミストも終末思想を一つの形にしたものだ。
ミストみたいなカオスだけは絶対に嫌だけど。

さてその脚本をどのように料理しよう?とあれこれ考えた結果、そうだクローバーフィールド世界にしよう!と思い至ったらしい。
なるほど。
考え方としてとても参考になる。

でも好きなところひとつだけ言いたい。
タイトルめっちゃ好き。
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