御影LIN

拷問男の御影LINのネタバレレビュー・内容・結末

拷問男(2012年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

R15+
※ひどすぎる感想文なので閲覧にご注意ください。

最後までじっくりと見ました。
透明系の体液が苦手なので、永遠に続くジュルジュル音でこっちの気が狂いそうだったのは置いてといてですね。

なんとなく時系列順に感想をつづっていきます。(はっきりとは覚えていないので)
個人的に拷問に深い倒錯があるので気持ち悪いと感じさせてしまうかもしれません。読まれる場合はご注意ください。

タイトルはまるで拷問を楽しんでやるであろうシリアルキラーか、快楽殺人者を彷彿とさせる「拷問男」ですが、内容は至って真面目な復讐の話です。

映画の前後編に分けて、前半はなぜ拷問をするに至ったかを丁寧に描写し、後半はこれまた懇切丁寧にこれでもかと痛みと苦しみを追求した拷問を描写しています。

実の娘を手にかけた実の弟という所が何とも。人によっては感情移入しすぎてしまうのではないかと要らぬ心配です。

後半の拷問は、最初から呼吸器官に穴を開けており、まともに喋ることができないようにしてあります。
頭に装着するタイプの拷問具は形が美しくていいですね。

これからする拷問について、医者や歯科医師や有識者から情報を集め器具もDIYしたことなど、弟に全て説明するところからスタート。

そしていきなり腹に穴を開けます。
死なせることも気絶させることも認めないため、さらに苦痛を与えるためにバーナーで止血。腹は黒焦げに。描写力すさまじく圧巻です。すごい。

拷問に耐えかね、弟は罪を自白。
主人公は至って冷静に計画的に復讐を遂げていくと宣言します。

弟が被害者への犯行内容を記録していたノートを読み上げながら、子供たちにしてきた残虐な行為をグレードアップしてトレースしていきます。

恐怖と痛みを交互に繰り返す賢明さに感心します。苦痛は長く続けすぎると慣れてしまうので、交互に繰り返すと効果絶大でしょうね。

拷問の最中に弟の口を塞ぎ、母親と何食わぬ顔で電話をする様子は、一種のポルノかのようです。希望をちらつかせ絶望を与える巧みなやり方です。

膝を破壊するための装置を取りつけ、太いボルト左右6本ずつで挟み込み、砕いていきます。ただ砕くだけでなくグリグリと回したり。

指を切断。軽口をたたきながら軽快にこなしていきます。今度は炙るのではなくワックスで止血。

歯を抜く。抜くこと自体はそこまで思い入れはありませんが、抜いた後に掃除機で血を吸うシーンは何だか乱雑な感じでぐっときますね。普通の掃除機というところがいいです。

気絶しそうになったら気付薬を嗅がせて覚醒させる。とにかく少しでも楽にさせない姿勢が一貫しています。

弟は楽にしてくれと懇願しますがもちろん聞き入れません。娘を強×した弟の肛門に有刺鉄線を挿入。
これは素晴らしいアイデアと思いました。ぜひ全世界の性犯罪者に適用してほしいです。

拷問も終わりに差しかかる頃、警察が主人公の友人に犯人の目撃情報からの似顔絵を見せるシーンへ。
すぐに主人公の弟だと気づいた友人は主人公の家に行きます。
主人公は躊躇いなく拷問場へ友人を誘います。
やめるように言う友人に対して攻撃的になる主人公ですが、結局は友人には何もせず逃がします。

主人公は、弟の腸に挿入した有刺鉄線を引き抜き、最後手にかけようとします。

警察が拷問場へ立ち入ってきた時、入口の階段に可愛い顔で主人公の娘が立っていて様子を伺っています。
こんな残虐行為を黙って見守っていた幽霊の娘ちゃんを思うと鳥肌がたちました。

視聴のあとの余韻は強いものとなりました。きっとこれを見た人はみな、自分が当事者だったらという想像をすることと思います。

よいファンタジーのお話でした。
自分と周りを守るため、復讐を実行する人は現実世界でかなり少ないでしょうが。自分の欲求のために人を手にかける人間はやり返されて然るべきという感情も、当然ながら存在しますよね。
御影LIN

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