御影LIN

シン・仮面ライダーの御影LINのネタバレレビュー・内容・結末

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

PG12 レーティングはないがSM視点で鑑賞したのでこちらで。
私の感想文は18歳未満が読むことをお勧めしませんので、未成年の方は引き返していただけると大変助かります。

当方、仮面ライダーに関する知識はほぼ0の30代女性です。

パンフレット70ページ以上あって1200円と知った瞬間に即購入、まだ見ていません。

主人公、ホンゴウタケシが小刻みにずっと震えているのでチワワかな、とか血管切れないかな、とか余計な心配をずっとしていました。
庵野さんお得意のヘタレ主人公ですね。
最近へたれキャラ時代は終わってきていると感じるので、この映画は若い世代にどう見られるのだろうというのは、かなり気になりました。

やはり世界観に慣れていないので面白くなるまでには時間がかかりましたね。
冒頭で血飛沫がビッシャビッシャ飛ぶのと、キャラ達のセリフがあまりに凍えていたので、ああ男のロマン的な世界観かしら?と少しずつ理解。
キャラ達は悲しみと苦痛と違和感と孤独をそれぞれ抱えている印象です。
とにかく、楽しい話ではなく、前提として絶望から生まれてきた世界とキャラによる話。
ここは青年向けのテーマだなと感じます。

しかし、そもそも仮面ライダーの見た目や、戦闘シーンなどが瞬く間にポップな少年漫画へ変化。
遥か昔、石ノ森先生が原作された話なので、当時描かれていた漫画が今より少ないことを考えると、青年向けと少年向け要素が混じりあってしまうのも仕方がないのかも知れません。
この辺りの事情のせいでゴチャゴチャして見えてしまうところはあります。

怪物が人間を襲う理由として、AIがオーグ達に命令を送り洗脳しているのだと認識しましたが、オーグ達が口を揃えて言ったのが「命を奪うことは幸福」「幸福を俺に(私に)くれ」と言うような考え方です。
SMの女王様をやっていた私からすると色々と考えてしまう考え方でしたね。
「幸福をあなたに捧げます…」みたいな人間が意外と居るものでして…。
自己表現が好きな私からすると、こういった思想は外に出さずおくべきではないかと常に悩んでいるので、この映画は私のその視点に対して様々な角度から切り込んでくる場面が多かったです。
特撮から性癖がSMに根付く人も割りかし居るらしいので…。なるほどなと思いました。

私自身の性癖に刺さったシーンがあります。
それは蜂オーグが手下からプラーナを貰う瞬間です。
中でも一緒に戦っていた最後まで残っていたオスに「あなたのプラーナ貰うわね」と言った後に、その子が「喜んで」と手を差し出すシーン。
刺さりました。
「喜んでXされます」という意味ですよね。
しかも忠誠心で。例えそれが蜂特有の本能のよるものだとしても、何だか燃えてきます。
ビジュアル的にも可愛い女王蜂に、高身長イケメンのオスが命を差し出すというギャップ。
個人的なSM的理想と重なりました。
大丈夫かこのレビュー?笑

サソリオーグの雑魚死に失笑。
しかし台詞中に不自然に英語を入れ込んでくるのは悪寒が酷くて困っていました。
蝶オーグのラスボスオーラは良くできていたものの、引きこもって亜空間に夢中になっているから体力が落ちてスタミナが尽きるのが早い。
長男は甘やかされて育っているから弱い、と連れの感想を聞いて、確かに…と。
ルリコは強かったしな…。

主人公が死ぬストーリーってなかなか見たことがないので、そこだけは新鮮だった。
後は全てが古い、それが興味深い、のような感想です。
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