御影LIN

羊たちの沈黙の御影LINのネタバレレビュー・内容・結末

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

PG12

ええ!?年齢制限ないの!?
名だたる賞を総なめしている唯一のホラー。
ビッグタイトルからか、何故か視聴済みだと勘違いしていましたが、初見でした。

何で年齢制限がないのか謎ですが、普通にグロ描写あります。

評価は文句なしで満点です。
タイトル、キャラクター、ストーリー。
こんなにお洒落なホラー見たことない。

少ないながら私の見てきた創作物の中から、これに影響を受けているであろう作品がいくつも繋がっていきました。
殺人犯に知恵を借りる、という様式は、これが原点なのでは?

シンプルが故に、演技にすべてが掛かっているようなもので、幸運なことにピタリとハマった役者がいたからこその完成度でしょうね。
アンソニーホプキンスさんの魔力というか、見るものを惹きつけて離さない引力が凄まじい。
ジョディフォスターさんの演技が抜群なことはもちろん、神秘さすら感じさせる美貌、美女である事で、両者の魅力が相乗効果で跳ね上がってる。
禿げかけてるオジサンでも、知性と品性が備わっているとカリスマに変貌するんですね。これ、いわゆるイケメンじゃあここまでの魅惑的雰囲気は出なかったんじゃないかな。

レクター博士は、頭脳明晰で行動力もあるカリスマですが、人の心を揺さぶる時に使う手段は決まって「下ネタ」です。そこが人間らしくてかわいい。彼、きっとロマンチストなんですね。

「羊たちの沈黙」というタイトルを聞いただけでは、決して中身を想像することはできない。
ただ、動物である羊が黙る様子は、なんだか不自然で歪で居心地が悪いビジョン。
ストーリーの終着点をタイトルにしたわけですが、だからといって話の筋に触れているわけではないからネタバレにならない。
なんというお洒落さ……。脱帽です。

クラリスの羊たちは黙ったかも知れませんが、その代わりに白昼夢ですらレクター博士が登場するようになったのではないでしょうか。
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