真っ黒こげ太郎

拷問男の真っ黒こげ太郎のネタバレレビュー・内容・結末

拷問男(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

その思い出がよぎり、男は最後の優しさを見せた…。



シングルファーザーのデレクは妻と別れていたが、娘のジョージアと会う事を何よりの楽しみにしていた。
だが、妻に娘を返した日、ジョージアが何者かに誘拐されてしまう!!
捜索の末…ジョージアは惨殺死体として発見されてしまった…。

大切な娘を失い、居るはずのない娘の幻影を追いかけ、絶望するデレク。
しかし、周囲の人々の支えで立ち直りつつあった。

そんなある日、パーティに誘われて弟トミーの家にやってきたデレクだったが、彼の家で不審な点を幾つか見つけ、挙句デレクがコッソリ殺しを行い日記を付けていたことが発覚!!
更に日記には、兄に恨みを抱いた日にジョージアを誘拐し、殺害していた記述があった…。

怒りに燃えるデレクはトミーを捕まえ監禁し、おぞましい拷問を加えるのだった…。



娘を惨殺された父親が、復讐の為に捕えた犯人を監禁し拷問するサスペンス・スリラー。
例によって例の如くスプラッター物を求めていたら見つかった本作。

しかし、社名が変わって真面目になったとはいえ、こういうB級感のある作品を配給しなくなったのは寂しいですよ。オデッサ・エンタテインメントさん。(旧タキ・コーポレーションさん。)
以前のB級臭を臭わせまくった作品をもっと配給して、どうぞ。
(しかし、メニュー画面簡潔すぎるだろwwwwwww手抜きすぎwwwwwwww)


そんなこんなでようやっと観た本作、てっきり「ホステル」みたく、グログロな拷問まみれな内容かと思いきや、かなり重い話でした。
(ちゃんとクライマックスでグログロ拷問は展開されますが。)

お話は「娘を失った男が犯人に復讐!」的な話。
残酷度はかなり違いますが、個人的には「7 DAYS リベンジ」を思い出しました。
(個人的にはあっちより好きですが。)

本作は前半ドラマで、後半はスプラッター度数高めの拷問展開、といった感じだが、前半が結構長くテンポもスロー気味で、後半残り55分にならないとお目当てな拷問シーンは拝めない。
(拷問がお目当てな自分もアレだが…w)
だが、それまでのドラマが意外にもかなりしっかりしており、娘を失い失望する下りが重くのしかかってくる。
周りの人間ドラマもかなりしっかりしている。

後半、犯人が発覚し拘束、遂に始まる拷問!!
あの手この手で始まる拷問は実にバリエーションに富んでいる。
そしてどれもこれもエグくて痛々しい!!!
内臓デロデロが大丈夫な自分だが、こう痛々しさを重視したタイプのグロは観てて痛ぇ…。
ケツパイプ&有刺鉄線といい、ようここまで豊富な拷問を描けるものだ…。
(つーか専用知識をフル活用しているとはいえ、よく死なないな相手側…w)

しかしクライマックス…。
やはり人間、最後まで非情にはなり切れないよな…。
正直、自分は「復讐を果たせ!!」派だが、今作ではあの方が正しいんじゃないのかなと思った。


ドラマ方面の粗がないこともないが、かなりシリアスなドラマをしっかり描き、グロ描写もしっかり描き切った、サスペンス・スリラーの掘り出し物だった。

かなり鬱な内容ではあるが、グロだけに留まらずドラマ方面もしっかりしているので是非ともオススメしたいです。

余談ですが、同監督のスプラッター率多そうなモンスターパニック映画が気になってます。
近い内観てみようかな。