ぶちょおファンク

散歩する侵略者のぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

散歩する侵略者(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤★3.5 中盤★4 終盤★3

古くは『トワイライト・ゾーン』や『ウルトラQ』、
M.ナイト・シャマラン的な世にも奇妙な作風。

女子高生が“立花あきら”と言い、
これ小松菜奈ちゃんで映画化もされた漫画『恋は雨上がりのように』の主人公“橘あきら”と漢字は違うけど同じ!
女性で“あきら”ってのも珍しく、
なんか元ネタ的なのでもあるのだろうか???
しかし彼女(恒松祐里)のアクション(殺陣)は素晴らしかった!!!!!(笑

調べると原作は劇団イキウメが2005年に初演した舞台、
のちに主催の前川知大さんが小説にもした作品みたいだ。

正直かなりツッコミたい部分は多く、
宇宙人の諸々の設定の粗の多さや描写、
ほぼ役に立っていない厚労省の存在(皮肉?)、
病院内だけパンデミック状態?
この辺をもう少し詰めてくれれば評価はもっと上がりましたが、
それでも“概念”、そして“愛”についての本作のテーマは個人的に好みでした!
ヒトによっては愛をこんな陳腐に説教くさく訴えかけられても…
っという批判も理解はできますが。

ラスト付近、鳴海(長澤まさみ)から“愛の概念”を奪う真治(松田龍平)、
しかし奪われた鳴海に変化は特になく、
奪った真治はよろめき倒れる。
そして数ヶ月後、病院のベッドに座っている鳴海は放心、抜け殻状態。
そんな彼女に「ずっとそばにいるよ、最期まで…」という真治…。
これはおそらく愛を奪われたのに変わらない自分に失望し
そういう精神状態になってしまった鳴海…
だと自分は考え、
逆に愛を知った(理解した)真治(乗り移った宇宙人)は献身的に鳴海(人類)の世話をする…
っというラストなんだと受け取りましたが、
もうひとつ言えば、
宇宙人が奪え切れないほど愛は大きく、
鳴海は失望するどころか変わらなかったのは喜ばしいことなんだけど、
彼女はそうは思ってないんでしょうね。
けどいつか真治の愛で鳴海は正気に戻るんだろうと想ふ。


追記〜
あるレビューで「愛の代償として鳴海はあーいう状態になった…」
って見解は一理あると思い大納得!!!
まっ正解はヒトそれぞれってことで♪(笑

そしてウルトラセブンでも
こういう話しがあった…ってのが
そのレビューに書いてあり思い出しましたが、
セブン(ウルトラシリーズ)の脚本家が金城哲夫さんと上原正三さんで、
このおふたりは沖縄県出身ということもあり、
“侵略”についての沖縄の歴史を入れたエピソードやテイストがセブンには多かったりします。


2019年212本目