みーちゃん

アナベル 死霊人形の誕生のみーちゃんのレビュー・感想・評価

アナベル 死霊人形の誕生(2017年製作の映画)
4.0
死霊館シリーズは二作とも大好きで、ホラーへの苦手意識や固定観念を変えてくれた記念すべき作品。自分の中で、上質で特別な作品だと勝手に祀りあげてる。

スピンオフの本作は、あれほどの派手さは無いものの、ちゃんと正統な流れを汲んでいると感じたし、"誕生"にまで遡っていることの意味合いを考えれば、まだ歴史や根拠が浅いのは当然だと思う。怖いけど、しっとり良い。ドラマがある。

人形職人としての腕は一流で、根は優しいが、人付き合いは苦手で頑固な父。その良さをよく理解し、サポートする人あたりの良い母と娘。

生い立ちが厳しい環境にある孤児院の少女達。その前提条件の上に、更に、身体のこと、それぞれの個性、子供なりの人間関係、将来への希望と不安、思春期…。

もう、悪魔が付け入る隙というか、大好物な要素が眩しいくらい散りばめられていて、設定にも、プロセスにも、ぞくぞくする。それを、キャーキャー泣き叫んで、なす術もなく逃げ惑ったり、隠れて助けを待つのではなく、小さなリンダ達が、震える心を抑えて恐怖に立ち向かい、大きな痛手を負いながらも克服した姿に魅了された。