ノッチ

メアリと魔女の花のノッチのレビュー・感想・評価

メアリと魔女の花(2017年製作の映画)
3.5
7年に1度しか咲かない花“夜間飛行“。

それはかつて魔女の国から盗み出された禁断の“魔女の花“だった。

花によって一夜限りの不思議な力を手に入れたメアリは、魔法大学“エンドア“への入学を許されるが、ひとつ嘘をついたことから大事件に発展してしまう。

『借りぐらしのアリエッティ』と『思い出のマーニー』の米林監督がジブリを退社し、新たに設立したスタジオポノックの第1作品目。

魔法の花を見つけた少女の冒険譚。

『魔女の宅急便』『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』のいい所取りのように見える作品ですが、これを「二番煎じ」と取るか「ジブリの良質な遺伝子を正当に受け継いだ」と取るかで評価は変わるかもしれません。

ファンタジーというのでワクワクしながら観ましたが、ストーリーはいたって単純。

物語が王道で、普通の女の子が空飛ぶ魔法が使えるようになり、魔法学校に入学しますが、嘘がばれてしまうという分かり易い展開。

凄いなと思ったのは絵の綺麗さ。

木々や植物の緑が本当に美しくて驚きます。

それに表情が豊かで、感情の起伏が大きかったのもよかったと思います。

そしてCG中心ではなく、あくまで手描きに拘っていたのが、やはりジブリの魂を受け継いでいるんだと感じました。

ぐにゃぐにゃした不思議な物体とか光りとか最近のリアルCGに見慣れた目には手書き感が妙にホッコリした。

しかし、ピーター(声:神木隆之介)との関係性を築けていないまま、ストーリーが進んでしまったのは、どうかなと思いましたが・・・。

ほかに気になったのは、夜間飛行のその後。

親株が残ったままだったような気がしたんだけどなぁ。

とりあえず、魔法がテーマという事でわくわく感は有りますが、メッセージ性は低い作品(=お子さま向け)かと思いました。
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