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エンド・オブ・トンネルのRenのレビュー・感想・評価

エンド・オブ・トンネル(2016年製作の映画)
2.5
車椅子の男が隣人の強盗計画を盗み聞きしてしまうところから始まるサスペンス。不可解さもこじつけも多分に含んでいるけど、観ていられないわけではない....。

銀行の金庫直下へ続く地下通路を掘り進めていた設定と、終盤のロジックは悪くないし面白かったと思います。が、それを展開させたいがための不自然な行動が多く、ただそういう結末に持っていくための脚本じゃん、ただのピタゴラスイッチじゃんと感じました。

ネタバレにならない部分の脚本的不満点を挙げると、まずは主人公の行動動機に乗りづらかった点。警察へ連絡するよりもリスクを冒してまで犯人たちを出し抜いてやろうと考えるほど困窮していた?のが微妙に分かりづらい。
あと、中盤の偵察〜犯罪当日までの丸々のシークエンスで間延びしていた点。10〜15分は削れた気がします。
主人公の家と銀行の距離感・立地関係も分かりづらく(というか分からず)、のめり込むことができなかった、ということも付け加えておきます。

良いところも勿論あって、主人公が背負うハンディのそれ自体を殊更にエンタメにしようとしていなかった点は面白くて素敵。あるピンチからの打開策は、もはや車椅子とか関係無く楽しめました。

言葉を話せない少女との交流に帰着させるラストはベタではありつつも温かで、舞台の閉塞感からパッと解放されたような爽やかさがありました。ニヒルなダークヒーローだと思っていたのにただ強盗が立てた計画の上澄を掬い取ろうとしただけだった....とあまり好きになれなかった主人公・ホアキンが、少しヒーローになれた瞬間。



《⚠️以下、ネタバレ有り⚠️》










○ たまたまベティが敵のアジトでバレずに腕時計盗んできた?
○ たまたまグットマンが何かも分からん人の家のクッキーを食べた?(犯罪バレずにハッピーエンドにさせる為にグットマンを死なせる方法としては雑)
↑やはりこの辺りは、ラストの “嘘“ で相手を崩すホアキンのあのシーン以降の伏線のために行われただけなのが残念。

ガレリトたちが名前呼ばれて驚いていたけど、「今までの計画が盗聴されていた」可能性を微塵も考慮していない辺り、彼らのオツムはあまり良くないと思う。
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