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あなた、そこにいてくれますかのRのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

自宅で友人1人と。

2016年の韓国映画。

監督は「結婚前夜 マリッジブルー」のホン・ジヨン。

あらすじ

医療ボランティアでカンボジアを訪れた医師のハン・スヒョン(キム・ユンソク「1987、ある闘いの真実」)は赤ん坊の手術をしたお礼に願いを叶える10粒の薬を受け取る。30年前に亡くなった当時の恋人ヨナ(チェ・ソジン「王の涙」)に会いたいと願ったスヒョンが半信半疑で薬を飲むと、そこは30年前の1985年、そしてそこには当時の若かりしスヒョン(ピョン・ヨハン「エンドレス 繰り返される悪夢」)がいた。

ゲオの準新作半額レンタルにて。

タイトルが印象的なので、記憶に残っていたのだけど、何より他のレンタルDVDで今作の予告が流れているのを観て、その上手くそれでいて、感動的にまとまった内容に興味を惹かれ鑑賞しました。

うん、色々と言いたいことはあるけど、良かった!!んじゃないかな…。

口蓋裂の孤児を手術することで助けた医療ボランティアの現場で、老人から怪しげな薬をいただくシーンから物語は始まる。

サプリっぽいのじゃなく、THE丸薬って感じで胡散臭さ全開で俺だったら絶対飲まないだろうなぁ…笑。

まぁ、それも余命少ないスヒョンの境遇なら飲んでみちゃうかもっていう説得力に繋がるのは上手い。

大体こういうのって、タイムスリップっていう現実ならまず起こらないSF的要素をどれだけの尺を使って飲み込めるかってとこだけど、今作の主人公スヒョンは一回のトリップですんなり飲み込めちゃう。

ここも本題はそっちじゃないんだよな、結局は突き詰めると韓国お得意の「純愛」に行き着く、まぁ今作に限った意味で言えば決して悪い意味合いじゃない。

何回かのトリップを通じて若かりしスヒョン(にしては顔が違いすぎるだろ笑!!)と「共犯関係」を築き、「最愛の」人ヨナを救うために奔走するスヒョン。

ただし、厄介なことに現代では別の人と結婚して、もう1人の「最愛の」娘スア(パク・ウネス)を設けているため、ヨナを助けて結ばれるとスアがいない未来ルートに行き着いてしまうというジレンマ…。しかも滞在時間はわずか20分!!うーん、ベリーハード!!

おまけに前述の通り、余命間近で常に血反吐を吐いちゃうような状態の三重苦!!

特にスリリングだったのは終盤の展開、なんとか若かりし頃の自分に「もう2度と会わないこと」でヨナを死なさないを誓わせたスヒョンだったが、2人の愛は自分が思っている程に強く、別ルートで交通事故に遭い(なぜかそのシーンだけホラーチック)、その晩に手術しないと死んでしまうことになり、半ば強行的に当時研修医だった自分とついでに若かりし頃の同期の女医(つってもこっちもペーペー)を引き連れ、執刀するんだけど、なんつっても滞在時間が20分、しかもスヒョンの専門は小児科医、しかもしかも病状が悪化して、所々で「ちゎいタンマ✋」するから、なんつーかもう…忙しいっ笑!!もうなんか半ばギャグだよっ!!しかも、なんとか無事成功(すんのかーい)した後、振り返るともう消えてるw。

という感じで全編おっさんスヒョンが必死になって奔走するわけだけど、それもこれもヨナのためで、なかなかツッコミどころもあったりするんだけど、結局はスヒョンを応援したくなるし、なんとか2人がくっつかないかなーなんて思ったりもしてしまう。

だから、トータルではもちろん面白い作品ではあるんだけど、引っかかる点が2点!!

まず、結局ヨナ生存ルートに入ったのは良いんだけど…スアのお母さん、もうちょいいい子いなかったんかな…?ヨナを演じたチェ・ソジンがアイドル級にめちゃくちゃ可愛かっただけに、え?結局選ぶのがこいつかよってくらい性格悪そーな感じに見えてしまった(顔もヨナとタイプが全然違う…)。で、結局未来では別れちゃってるわけだから、なんかこのルートで良かったんかな…と思わずにはいられない。例え、面白みが一つ減ろうともスアのキャラクターとかを無しにして独身設定にすればラストもすんなり受け入れたのでは…。

あと、スアのお母さんの件にも関わるんだけど、この監督、明らかに「タバコ」を徹底的に嫌ってるね笑。ソヒョンが余命わずかな肺がんなのも、事あるごとに挟み込まれる喫煙が影響しているだろうし、ラストの鍵となるソヒョンの親友テホ(キム・サンホ「焼肉ドラゴン」)がとる行動から受け取るメッセージもシンプルな「タバコやめろ!」。挙句にソアの母親と初めて会うシーンでも母親がタバコを嫌味ったらしく吸うもんだから、やっぱりマイナスイメージ…。今まで「嫌煙映画」として有名なのは「コンスタンティン」だったけど、今作もそれに続く新たな嫌煙映画として間違いなく、これ観てすぐはタバコを吸いたくなくなるのは喫煙者の自分としては心苦しかった。

まぁ、何はともあれ、ハードルをギリギリ超えることはなかったけど、かなり楽しめた作品だった。

タバコは健康を害する、これがよく伝わりました。
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